黒いリボンを結んだ薔薇の花とファントムの深い孤独。
映画「オペラ座の怪人」を観ました。
オペラ座の怪人は99年頃、赤坂のシアターで劇団四季のものを観て、その音楽のすばらしさに魅了されましたが、今回の映画でも再び音楽の力に圧倒されました。
映画はまるでミュージカルのように物語が進みます。
もちろん19世紀のオペラ座の美しい映像にも感動しましたよ。
パリ・オペラ座といえば何と言ってもあの真紅ビロードのイス。初めて訪れたとき、その沈み込むような赤い色と以外と小さなサイズが新鮮でドキドキしたものです…ここで数々の芸術が生まれるんだな…と。
ファントムは彼女に何を求めていたのかしら?
自らの音楽の表現者として成功すること?(父親みたい:笑)
それよりも…ただひとつ、愛されている実感が欲しかったの。
彼女からのふたつの接吻。
きっとあの接吻で、彼は彼女の愛を感じたのかも?
それとも愛の終わりを感じたのかしら?
いずれにしてもその瞬間、彼は彼女を手放すことを決めるのね。自分の歪んだ心に気づかされたのかしら?
映画をご覧になった方、どのように感じられましたか?
彼女の死後もなお墓前に備えられる、黒いリボンの薔薇一輪とスワロフスキーの指輪…
それは、彼女の夫で、かっての恋敵がオークションで競り落とした想い出の品より、余りにも鮮やかでせつない。
ファントムよりの感想になってしまいました。
孤独な男性に弱いのかも。