異国の薫り

クリスマスから1日後の、新潟市中央区「新潟県民会館」ロビーの風景です。
時間は18時30分過ぎ。
クリスマスツリーとミラーボール。
人々の身体に光の玉を創ります。
この日の夜は、「聖なる怪物」がやって来るということで、
バレエファンらはこぞって、歴史あるこの会館に駆けつけたのです。
私もそのひとり。
数年前、やはりこの会場で彼女の「ボレロ」を観て以来、その精神の美しさに魅かれ、彼女の姿を観ずにはいられないものがあるのです。
最高の芸術は、心を揺さぶるものがあります。
そして、2009年、私の最後の芸術鑑賞は、シルビィ・ギエムとアクラム・カーン・カンパニーの
「聖なる怪物たち」に決定しました。
開演。
幕があくと白くシンプルな舞台左手に音楽を奏でる人たち。
右手に唄と楽器の男性。
中央には、絡まる二人。そして、不思議な声で物語を奏でる(唄う)ひとりの女性が立っている。
普通一般のダンス公演ではなく、お芝居のよう。
ギエムとカーンは、踊りも一流で、素晴らしい演技者でもありました。
セリフが面白かったのです。
踊るとは、心の動きを刻んで表現すること・・・
葛藤や、幸福感や、人生観等など・・・
人として、生きてゆく限りエンドレスで発生しつづけるする感情表現なのだと。
彼らが身体で表現していることと、大脳辺縁系に働きかける「香り」の世界はリンクするところが多いのでは?と感じるところがありました。
さらに、そうです。幕があいた瞬間から「異国の香り」が漂ってきたのです。
土埃や、灰や、油脂の匂い。それに、千年以上経ってから掘り出され、白日の下にさらされたシダーやフランキンセンスの香りのような・・・
このステージから香ってくる演者の体臭?も、芸術の世界に引き込まれる重要な要素となったようです。
タイミングと、バランス。
強烈な作品でした。
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