研究から見る認知症とアロマは?
インターネットを検索すると多くの関連文献が出てきます。
世界中の学者が精油の効果効能を実験し、検証しています。
新たに脳細胞を作る部位は、嗅覚に関与する脳の部位です。
2007年2月の記事です。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6362183.stm
成人になってからも脳細胞は修復されるという内容です。
アルツハイマー病の前兆として嗅覚が衰えると言われます。
精油の香りで嗅覚を活性化する。これが、アロマで認知症が改善に向かう理由かもしれません。
もっと研究が進むといいですね。
PUBMEDには、多くのアロマテラピー関連論文が掲載されています。
こちらの論文は、ラベンダーアロマ・ハンドトリートメント(マッサージ)は、アルツハイマー型の認知症患者の感情および攻撃的行動に対してして効果的である、という内容です。
目線を合わせて、温かい手で触れることも大切なのです。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15860944?dopt=Abstract
とても大切なポイントなのですが、精油と薬は違います。
単一の成分で鋭角的に作用する薬に比べて、多成分の精油は緩やかに、選択的に体に作用します。
精油は多くの分子で構成された天然物でなので体内組織への親和性が高く、容易に代謝去れるため血中半減期が短く、作用も長続きしません。
よって、長い間体内にとどまる合成薬に比べて安全性が高くなります。
作用の側面からみると、合成薬は身体の生理反応を抑制するほうに働きます。これが行き過ぎると、本来人間が持ち合わせている自然治癒力を弱めてしまいます。
これに対して、精油の個々の成分は、抑制しても全体的には自然治癒力をサポートする方向に働きます。
精油はそれぞれの成分と協調しバランスを取りながら作用します。一方、体はその時に必要な機能(薬理的作用など)をもつ成分を選択して体に取り入れます。
この性質が、多くの薬理作用があるにもかかわらず、副作用の少ない理由であると考えられています。
(精油の種類によっては使用制限のあるもの、禁忌・注意事項のあるものもあります)
精油は身体のストレスを軽減し、体の機能を高め代謝を促進し、老廃物の排泄を促し、体の再生力を高め、自然治癒力の向上に働きます。単一成分の薬にはこの多成分によるバランス調整機能が働きません。
さらに、精油には薬にはない大きな力があります。
それは、サイレントランゲージと言われる「香りの効果」。
沈黙の言葉・サイレントランゲージは、心に強く訴え、体・心と魂の再生に力を与えてくれます。
アロマ・アドバイザー以上の資格を持つ方々で、一般の人に精油をアドバイスする時、必ず、お手元のNARDケモタイプ精油事典で確認し、安全で合理的なアロマテラピーを広めて参りましょう。
参考:抗菌アロマテラピーへの招待 (井上重治薬学博士 安部茂薬学博士)
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